最近読み返した漫画を紹介します。
- 懲役339年●
(引用:懲役339年 4巻)
☆概要☆
魂の転生が信じられている世界。大罪人の生まれ変わりとして、生まれた時から牢獄で生きる者たちの物語。
全4巻と短くも非情に良い作品です。
☆輪廻転生の信仰☆
お葬式は死者を弔うためにありますが、同時に、残された人々の死への恐怖を和らげるという意味もあります。
たとえ自分が死んだとしても、自分も弔ってもらえるであろうという安心です。
この漫画の輪廻転生の信仰も、「死んだ先は”無”ではなく”来世”がある」と信じ、死への恐怖を和らげるために始まったのかもしれません。
しかし、信仰は政治や権力に利用され、どんどん歪んでいきます…
☆輪廻転生の理不尽☆
「前世が偉い人だったのだから、権力者・金持ちになって当然。」
「今、貧乏な人は前世でそうなったのだから、自業自得。」
これで押し通せてしまう、権力者にとって都合のよい社会。
物語の中で更に理不尽さは増していきます…
☆転生の否定と戦い☆
そんな社会に疑問を持った人々が、やがてレジスタンスとなります。この漫画の後半は国家権力との戦いになるのですが、敵は民衆を長い間支配してきただけにとても狡猾で、一筋縄では行かない民衆の心理を掌握する戦いになります。
この戦いの果てに自由と平等を勝ち取れるのか…
☆最後に☆
この漫画では”輪廻転生”と形でわかりやすく、格差や不当な支配が描かれています。
しかし、現実世界でも数百年前は身分制度だったり、宗教政治が当たり前に行われていました。
そんな中から自由や平等を手に入れるのは、想像を超える戦いや犠牲があったのでしょう。
全4巻なので、
「時間がないけど面白い漫画が読みたい!」
という人は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
(引用:懲役339年1巻)
守屋